IPO投資は「簡単に儲かる」と思われがちですが、実際には大きな損失を出す人も少なくありません。公募割れや高値掴み、セカンダリーでの失敗など、IPO投資にはさまざまな落とし穴が潜んでいます。
本記事では、IPO投資でよくある失敗事例を分析し、その回避策を具体的に解説します。
1. 失敗事例①:公募価格割れの銘柄に当選し、大損する
【事例】Aさんの場合
AさんはIPOに初めて当選し、「当たった=儲かる」と考えて喜んでいた。しかし、上場初日に初値が公募価格を下回る「公募割れ」となり、売るに売れずに保有を続けた結果、さらに下落してしまった。
✅ Aさんの失敗ポイント
- 銘柄の選定をせず、当選した銘柄を無条件に購入
- 「IPOは必ず儲かる」という思い込み
- 公募割れ時の対応策を考えていなかった
【回避策】公募割れしやすい銘柄の特徴を知る
公募割れのリスクが高い銘柄には、以下の特徴があります。
✅ 発行株数が多すぎる(需給バランスが悪い)
✅ 業績やビジネスモデルに不透明感がある(成長性が疑問視される)
✅ 親会社の持ち株比率が高く、売り圧力が強い
✅ 上場直前に市場環境が悪化している(IPOブームの終焉など)
👉 IPO銘柄は必ずしも買う必要はない!事前に銘柄分析を徹底することが重要。
2. 失敗事例②:初値が天井で高値掴みをする
【事例】Bさんの場合
Bさんは人気のあるIPO銘柄が上場するのを見て、「今買わなきゃ!」と焦ってセカンダリー投資を実行。しかし、その銘柄は初値がピークとなり、その後大きく下落。結局、買値よりも下がり、損切りせざるを得なくなった。
✅ Bさんの失敗ポイント
- 初値がどのくらい割高なのかを考えずに飛びついた
- 感情的に投資をしてしまった(FOMO:Fear of Missing Out)
- セカンダリー投資のリスクを理解していなかった
【回避策】「初値天井」のパターンを見極める
✅ 初値が公募価格の3倍以上になった銘柄は警戒(過熱感がある)
✅ 初値形成後の1時間の値動きを確認し、売り圧力が強い場合は様子を見る
✅ 過去の似た業種のIPOの動きを参考にする(成長性が疑問視されると初値天井になりやすい)
👉 セカンダリー投資は焦らず、冷静に判断することが重要!
3. 失敗事例③:ロックアップ解除後の暴落に巻き込まれる
【事例】Cさんの場合
Cさんは、あるIPO銘柄を上場直後に購入し、中長期で保有するつもりだった。しかし、上場から数ヶ月後、株価が突然急落。理由を調べると、ベンチャーキャピタル(VC)のロックアップが解除され、大量売却が発生していた。
✅ Cさんの失敗ポイント
- ロックアップ期間を確認せずに投資
- VCの動向をチェックしていなかった
- 長期保有のつもりが、売り圧力を考慮していなかった
【回避策】ロックアップ解除日とVCの保有割合をチェック
✅ ロックアップ解除日を確認し、その直前での売却を検討
✅ VC(ベンチャーキャピタル)の保有割合が多い場合は警戒
✅ ロックアップ解除後に株価が急落した過去のケースを調べる
👉 長期投資をする場合も、ロックアップ解除後の動きに注意が必要!
4. 失敗事例④:IPOバブル崩壊に巻き込まれる
【事例】Dさんの場合
Dさんは、IPOブームの最中に複数の銘柄に投資。最初は順調だったが、ある日を境にIPO銘柄が軒並み下落。市場全体が「IPOブームの終焉」と判断され、買い手がつかなくなり大幅な含み損を抱えた。
✅ Dさんの失敗ポイント
- IPOが「バブル状態」になっていることに気づかなかった
- 市場全体の動向を無視していた
- リスクヘッジのための資金管理をしていなかった
【回避策】IPO市場の過熱感をチェックする
✅ IPO銘柄の初値上昇率が異常に高い時は警戒
✅ 市場全体のトレンド(NASDAQやTOPIXの動向)を確認する
✅ 一度に資金を投入しすぎず、分散投資を心がける
👉 IPO市場は波があるため、「バブル崩壊」のサインを見逃さないことが重要!
5. まとめ:IPO投資の失敗を防ぐためにやるべきこと
IPO投資には、さまざまなリスクがありますが、事前に対策を講じれば回避できる失敗も多いです。
✅ 銘柄選定をしっかり行い、公募割れしやすい銘柄を避ける
✅ 初値形成後の値動きを慎重に見極める(焦って飛びつかない)
✅ ロックアップ解除のスケジュールを確認し、大量売却リスクを回避する
✅ IPO市場の過熱感をチェックし、バブル崩壊のリスクに備える
次回は、「IPO投資で安定的に勝ち続けるための最終戦略」について解説します。
本記事は特の銘柄を推奨するものではありません。投資はご自身の判断で行ってください。
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